2018-01-01から1年間の記事一覧

【2017年】IT業界の評価額は2017年度20%以上上昇

世界のIT業界のM&A評価額は急騰 ロイターと日本経済新聞社がまとめたデータによると、2017年1月〜9月までのIT業界のM&Aの株式評価額は、EBIT倍率で20.9倍にまで上昇していることが分かりました。 これは2000年のITバブルの時代の評価額を超えており、高額なM…

【2018年版】建築・建設業界の業界構造とM&A

人手不足の休廃業・解散が増加 建設業界の市場規模は建設投資額をベースにすると、50兆円と言われています。この数字は、1992年のバブル崩壊時に84兆円あった時点から比較すると3分の2程度まで減少したといえますが、リーマンショック直後の2010年の42兆円か…

中期経営計画でM&Aを掲げる企業が増加

ライオンや青山商事がM&Aを打ち出した 直近の経済環境を反映し、日本企業のM&Aが増加しているのはこれまでにも数多く取り上げてきました統計から見ても明らかです。その流れを受けて、中期経営計画にもM&Aの重要性を掲げる企業が増加しています。 ライオンで…

[2017年度]M&A案件数は過去最高水準へ

2017年度の譲渡件数は2,239件と前年比19.7%増 レコフデータ社より2017年の公表ベースのM&A・投資件数が公表されました。2017年度の譲渡件数は2,239件となり、前年比19.7%増と大きく増加しました。この件数は過去最高の件数を記録した2006年に次いで、過去2…

投資ファンドのJ-starが投資を積極化

12月から1月にかけて7件に投資 投資ファンドのJ-starによる投資が加速しています。J-starの公表によると2017年12月から2018年1月30日現在までに株式投資を7件実行していることが明らかになっています。 J-star社の投資方針によると、投資ターゲットは10億~3…

医療法人M&Aの成功のポイント解説

もめない譲渡価格の決め方とは 医療法人を譲渡する場合の譲渡価格の決め方とはどのようなものでしょうか。まず譲渡側の理事長は、医療法人が持っている全ての金融資産から、従業員の退職金の支給見込額を控除した残りの部分を自身の退職金として計上し、医療…

1店舗の調剤薬局のM&Aが成功する条件は何か

1店舗かつ売上1億円以下の薬局は厳しい 調剤薬局業界の再編、調剤薬局のM&Aは以前から述べてきたように、1~2店舗の零細薬局から地域のトップクラスの薬局へと波及しています。数年前から各地方の10〜15位以内、売上高で20億円程度までの薬局が大手企業へM…

ベンチャー企業のM&A:買い手のリスク削減策

大企業のベンチャー企業への投資は急増するが、失敗も増加 2018年1月13日の日経新聞に、大企業によるベンチャー企業への投資状況に関するデータが掲載されていました。2017年の大企業のコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)からの投資額は681億円(…

【2017年度】M&A仲介会社の調剤薬局M&A状況

大手M&A会社の調剤薬局M&Aは38件 業界再編のM&Aが最も盛んに起きている業界は調剤薬局であることは、既にご説明致しました。 具体的にはどの程度のM&Aが行われているのでしょうか。大手M&A仲介会社の成約情報を分析すると、2017年は38件の調剤薬局のM&Aが行…

【2018年版】印刷業界の動向とM&A

印刷業界は市場縮小により合従連衡の時代へ 印刷業界はバブル期には13兆円産業であり、「お金を刷っている」と言われたほど収益性の高い業界でした。印刷機器メーカーが大きく成長し始めたのは、戦後に政府がお金を貸付始めた頃からと言われています。当時は…

【2017年度】ロイター通信M&Aリーグテーブル

ハイテク業界のM&Aが3.5兆円と最多 ロイター通信社の2017年度M&Aリーグテーブルが公表されました。他の記事でもご紹介している通り、2017年は大型のM&Aが減少した影響で、日本関連の公表M&Aは14.1兆円と前年比27.4%減少し、2015年から2年連続で減少していま…

【2017年版】神奈川県内企業の事業承継の課題

神奈川県内企業の70.5%が経営課題と認識 帝国データバンクが2017年11月28日に公表した「事業承継に関する神奈川県内企業の意識調査 」によると、神奈川県内企業の70.5%が事業承継を経営課題として認識していることが明らかになりました。 詳しくデータを見…

村上世彰「生涯投資家」に読むファンドへ譲渡する意義

村上世彰氏曰く「コーポレートガバナンスのために戦った」 今から3〜4年前まではM&Aと言うと、「村上ファンドのことか」「ハゲタカファンドだ」と言ったネガティブな印象が多く聞かれました。現在では好景気であることと、そして日本の投資ファンドの成果が…

児童発達・障害者就労支援のM&A事例解説

成人障害者の就労支援を行う「A型事務所」は増加傾向 東京および神奈川エリアにて、障害者就労支援事業を展開しているW社の事例を紹介しましょう。 W社は「A型事業所」と言われる、成人障害者を労働者かつ施設利用者として就労支援を行っている事業を展開し…

急拡大するIT業界の業界動向とM&A

ITサービスの重要性の急速な増加によってM&Aも増加 矢野経済研究所の調査によると、2017年のIT業界の市場規模は12兆円であり、2013年からの5年間で1.3倍にまで成長をしています。更にWINDOWSが登場した約20年前と比較すると、3.2倍にまで成長しています。 こ…

【2018年版】物流・運送業界の業界動向とM&A

巨大な物流業界は大企業がシェア50%を占める市場 物流業界は全体で20兆円の市場規模があり、日本を代表する大市場である。GDP総額で5%弱にものぼり、近年のEC市場の発達と温度管理・商品流通の技術改善と共に、更なる市場拡大が見込まれています。 物流の…

病院・クリニックM&A実務:買い手のチェックポイントとは

病院・クリニックのM&Aで必ず質問される事項は7点 前回こちらの記事で病院・クリニック業界のM&Aについて、解説をいたしました。 今回は病院・クリニックを中心に、譲渡先企業がどのようなポイントを気にしているかについて、解説をしたいと思います。 これ…

病院・クリニック・歯科医院業界の業界構造とM&A

病院・クリニック・歯科医院は廃業が大増加 日本における医療費は40兆円を超える勢いがあり、GDPで10%近く。調剤薬局業界と同様に、薬価差益の引き下げ、診療報酬のマイナス改定などで医療費圧縮を政府が推し進めています。 その中で病院・クリニック・歯…

M&Aが活況な調剤薬局の業界構造と課題とは

調剤薬局業界は小規模企業が95% 現在、業界再編真っ只中と言われている業界が、調剤薬局業界です。調剤薬局業界は、2015年に市場規模が7.3兆円と印刷業界と同程度の非常に大きな市場ながら、薬局の店舗数は5.8万店、開設者数は2.5万社にも上っています。つ…

譲受企業が「新規事業」としてM&Aを活用する際の留意点

戦略のないM&Aは「高い買い物」にしかならない 譲受企業が新規事業としてM&Aを活用する目的は、大きく分けて下記の4つがあります。 1.売上の拡大のため 2.事業ポートフォリオの転換のため 3.社員育成の場を提供するため 4.企業改革の狼煙を上げるため 新…

2017年飲食業の公表M&A件数は20件。未公表の案件が多数。

2017年の公表M&Aは業界再編対象が増加 2017年の飲食業の公表M&A件数(少数株主持分取得を含む)は20件となりました。飲食業界は小規模(時価総額1~30億円)のM&A案件が多いため、公表案件は少ないものが特徴です。 2017年の特徴としては、スシロー・グローバル…

2017年12月のM&A/資金調達件数は250件に

資金調達・M&Aの件数は堅調に増加。村上ファンド系列のエグジットが成功。 森経営コンサルティングの1月15日の調査によると、2017年12月に公表されたM&Aおよび資金調達件数は250件に上ったことが分かりました。 下記にて、2017年12月期の著名な案件を具体的…

2016年の関東地方のM&Aは7.5%増加

関東の2016年M&Aの件数は前年比7.5%増 2016年の関東でのM&Aの件数は譲渡企業数が1,225社となり、2015年に比べて7.5%増加しました(レコフデータ調べ)。関東は全国のM&A件数の70%を占めており、全国的なM&Aの増加に寄与しています。東京都に限定しても、…

事業拡大期の企業の価値をできるだけ客観的に評価するには?

こちらの記事は幻冬舎オンラインに1月11日に掲載された記事の再編集版となります。 gentosha-go.com 正直な所、M&Aのバリエーションについては企業のタイミングや業界の注目度、マクロ経済の状況などによっても変わるため、完璧に正しいものは存在しないとい…

業界と事業のライフサイクルを見極めて、高値で売却する方法とは

こちらの記事は幻冬舎オンラインに1月1日掲載された記事を再編集したものです。 gentosha-go.com 前回は、なぜビジョン・戦略実現型のM&Aが現在注目を浴びているのかについて、具体例を上げながら説明をしてきました。 今回は、譲渡企業側に注目し、いつM&A…

なぜ今、売り手も買い手も成長のためにM&Aを活用するべきか

こちらは幻冬舎オンラインに12月25日掲載された記事の再編集を行ったものです。 gentosha-go.com 前回、事業承継型や業界再編型とは異なる、「ビジョン・戦略実現型のM&A」がM&Aの新潮流であること、譲渡企業側がM&Aに至る要因として、①自社の本業のスピード…

「M&A2.0」成長とビジョンを実現するためのM&Aの時代

こちらは、幻冬舎オンラインに12月18日に掲載された記事を再編集したものです。 gentosha-go.com M&Aの新潮流=ビジョン・戦略実現型M&A これまで中堅・中小企業のM&Aと言えば、事業承継のためのM&Aであったり、業界再編の中で規模拡大のために行われるM&Aが…