【2017年度】ロイター通信M&Aリーグテーブル

ハイテク業界のM&Aが3.5兆円と最多

ロイター通信社の2017年度M&Aリーグテーブルが公表されました。他の記事でもご紹介している通り、2017年は大型のM&Aが減少した影響で、日本関連の公表M&Aは14.1兆円と前年比27.4%減少し、2015年から2年連続で減少しています。1000億円以上のM&Aも7.2兆円となり、こちらも前年比43.1%減少しました。一方でM&A件数については、3,472件と過去最高を記録しました。

業界別ではIT・ハイテクセクターが3.5兆円に達し、24.9%を占めました。続く工業と金融が1.8兆円で12.5%を占めています。また、買い手がファンドの案件は3.1兆円(440件)と全体の20%以上を占めています。東芝メモリに対するパンゲアM&Aがあったことが大きな要因であると考えられます。

 

金額上位10社のうち、2社がソフトバンク

2017年のM&A金額1位は東芝メモリに対するパンゲアM&A(2兆円)となっています。売り手側のアドバイザー野村證券ゴールドマン・サックスで、買い手側のアドバイザーは三菱UFJモルガンスタンレークレディ・スイス、センター・ビュー・パートナーズでした。2位はアリアド・ファーマシューティカルズに対する武田薬品子会社のキク・マージャ−のM&Aが6148億円でした。売り手側のアドバイザーはJPモルガンゴールドマン・サックス、ラザードの3社であり、買い手側はエバーコアパートナーズとなっています。

更に見ていくと、上位にソフトバンクが2回登場しています。5位のフォートレス・インベストメント・グループと6位のウィウォークに対する第三者割当増資です。フォートレス・インベストメント・グループは、アメリカの不動産・PEファンドです。ソフトバンクは投資×ITを進展させるために、フォートレスを買収したと言われています。

M&Aの案件数別ではみずほフィナンシャルグループが1位

ロイターに公表しているベースでは、案件数1位はみずほフィナンシャルグループで196件となりました。2位の三井住友フィナンシャルグループは191件となっており、この2社が大きくリードしています。3位の野村證券が92件、4位の大和証券グループが58件と大きく離れているためです。

2017年のランキングで注目をしたいのが、かえでフィナンシャルグループです。かえでフィナンシャルグループは、会計事務所のかえでグループのM&A部門であり、2016年の21件から2017年は54件と大きく躍進を遂げています。54件という件数はデロイトグループを上回る件数であり、かえでフィナンシャルグループが今後のM&Aの世界で注目をされることが予想されます。

ところで、このランキングには日本M&Aセンターが登場してこないことに疑問を持たれるかもしれません。日本M&Aセンターはロイターのリーグテーブルに登録をしていないようですが、登録をしていたとすると、2017年の案件は200件を超えており、1位となっていることになります。 

M&Aの金額別では野村證券が1位

一方で金額別に見てみると、1位は野村證券、2位が三菱UFJモルガンスタンレー、3位がゴールドマン・サックスとなっています。所謂投資銀行です。彼は案件数は少ないものの、大規模案件のM&Aを行っているため金額別でTOPクラスにランクインしています。一方で先程のかえでフィナンシャルグループのようにM&Aの仲介サービスがメインの会社は案件規模が小さく、ランキングには入ってきていません。

 

【2017年度】ロイター通信M&Aリーグテーブル